こんにちは。
今回は、公立小学校の英語学習時間と具体的な学習内容について解説します。
<サマリー>
★公立小中の学習時間は7年間で507.5時間
★公立高の学校の学習時間は3年間で495.5時間
★自分の意見を伝えたりコミュニケーションをとるアウトプット型に重点を置いている
1.英語を学ぶことは必要不可欠
文部科学省は今後の英語教育に関して以下のように述べています。
社会の急速なグローバル化の進展の中で、英語力の一層の充実は我が国にとって極めて重要な問題。
これからは、国民一人一人にとって、異文化理解や異文化コミュニケーションはますます重要になる。その際に、国際共通語である英語力の向上は日本の将来にとって不可欠であり、アジアの中でトップクラスの英語力を目指すべきである。ーーーー中略ーーーー
もちろん、社会のグローバル化の進展への対応は、英語さえ習得すればよいということではない。我が国の歴史・文化等の教養とともに、思考力・判断力・表現力等を備えることにより、情報や考えなどを積極的に発信し、相手とのコミュケーションができなければならない。今後の英語教育の改善・充実方策について 報告~グローバル化に対応した英語教育改革の五つの提言~:文部科学省
要約すると、
- 英語を習得することは、日本がグローバル社会の中で生き残っていく中で必要不可欠
- ただ英語を勉強すればいいというわけではなく、自分の考えや情報などを伝えられる英語のコミュニケーション力を身に着けることが大事
この文面からも、国がいかに英語に力を入れているかがわかりますね。
ますます人口減になっていく日本、そしてグローバル化が進んでいく中で早期から英語に触れ、世界に向けて活躍できる人材を育成することが目的のようです。
では、具体的にどんな内容をどれくらい勉強するのか、以下にまとめてみました。
2.公立小中高の英語学習時間
現時点での小中学校での英語学習時間は以下のようになります。
学年 | 単位数 | 1年間の勉強(時間) |
小学校3年生&4年生 | 35 | 52.5 |
小学校5年生&6年生 | 70 | 105 |
中学校 | 140 | 350 |
計 | 245 | 507.5 |
上記の計算方法は、
小学校3&4年生:35単位×45分×2年÷60分=52.5時間
小学校5&6年生:70単位×45分×2年÷60分=105時間
中学校1~3年生:140単位×50分×3年÷60分=350時間
です。
ここからわかるように、7年間で計507.5時間英語を学ぶことになります。
高校はカリキュラムは学校によって学校によって違いますが、文部科学省の高校指導学習要領は以下の通りです。
科目 | 標準単位数 | 勉強(時間) |
英語コミュニケーションⅠ | 3 | 87.5 |
英語コミュニケーションⅡ | 4 | 約117 |
英語コミュニケーションⅢ | 4 | 約117 |
倫理・表現Ⅰ | 2 | 約58 |
倫理・表現Ⅱ | 2 | 約58 |
倫理・表現Ⅲ | 2 | 約58 |
計 | 17単位 | 約495.5時間 |
高校3年間で学ぶ標準の授業時間は、
1授業50分×35単位時間×17単位÷60分=3年間で約495.5時間となります。
小学校から高校にかけての学校の学習時間はトータルで約1003時間です。
一方、英語を習得するのに必要な時間は環境や勉強内容にもよりますが、一般的に2000時間〜3000時間と言われています。
学校外でもう少し英語に触れる時間があると、英語力がさらに伸びそうですね。
3.公立小学校で行われている英語教育の内容
具体的に、どのような授業内容なのか、以下にまとめてみました。
内容としては、小学校3,4年生はまずは英語に親しむ「外国語活動」としての授業になります。
<3・4年生の外国語活動>
- 2年間で52.5時間の外国語活動
- 主に英語に親しんで楽しむ活動が中心
- 歌やゲーム、簡単なフレーズの学習を通じて英語の音やリズムに慣れることが目的
- 日常的な表現や基本的な単語の学習
3,4年生は、全くわからない言語を勉強として学習するのではなく、楽しんで英語学習できそうです。
次に、5、6年生はより深い英語の授業が始まり、英語の活動としてではなく、「英語科目」としての勉強が始まります。
<5・6年生の英語科目>
- 週に1コマの授業
- 年間で約70単位の英語授業
- この学年からは英語が正式な科目として扱われ評価される
- 自己紹介や簡単な質問・応答
- 基本的な文法(主語と動詞の関係など)
- 英語での聞く・話すだけでなく、読み書きスタート
3,4年生の楽しむ学習から、実際に英語の単語やフレーズを覚える、覚えたことをアウトプットする学習に移行します。
親世代が中学校の頃にやっていたことを小学校のうちにスタートさせていますね。
小学校の英語教育は、中学校での本格的な英語学習への基盤を作ることが目的です。
そのため、英語力の習得というよりも、英語を楽しみながら学ぶ姿勢を育てることに重点が置かれています。
3.公立中学校の英語教育の内容
<中学生>
・3年間で、計350時間の授業時間
・週に4コマの授業時間
・「聞く」「話す」「読む」「書く」の4技能を養う
・1200語程度の単語を学ぶ
・身近な話題についての理解や簡単な情報交換、表現ができる能力を養う
・言語や文化に対する理解を深める
中学校になると、要求されるレベルがさらにアップし、授業は主に英語で行います。
また、初歩的な英語を聞いて、話し相手がどうしたいのかを理解し、さらに自分の意見を話すことができるようにすることが目標のようです。
読むこと、書くことに関しても同様に理解し、書くことができるようになるのが目標です。
4.公立高校の英語教育内容
高校の英語教育内容は以下です。
<高校>
・3年間で約495.5時間
・1800語の単語を学ぶ
・理解の程度に応じて英語を用いた授業が基本
・言語や文化についての理解
・積極的にコミュニケーションを図ろうとする態度
・情報や考えなどを的確に理解し適切に伝えるコミュニケーション能力
「読むこと」「聞くこと」ができて、それを使って「話すこと」も要求されていきます。
ひと昔前は中高あわせて2200語の単語学習だったのが、現在は中学1200語+高校1800語=3000語に増えています。
まとめ:英語教育の今後
いかがでしたでしょうか。
思ったより英語学習に力を入れていると感じました。
今は小学3年生から英語授業が始まりますが、今後さらに充実したカリキュラムが導入される可能性があります。
子供達は英語だけではなく他の科目も学んでいるので、短時間で英語のみに力を入れるのは難しいです。
そして、言語はいきなりできるようになるわけではなく、触れる時間を増やすことや日々の積み重ねが大切です。
英語嫌いにならないためにも、学校外でも英語を身近にして無理なく身に着けることが必要になってきますね。